阿部初美のブログ

演劇の演出家です。

2009年09月

沖縄・福岡

先週は16週目、一般的に言う「安定期」に入りました。
検診では初めて3Dでおなかの中の映像を見せてもらいました。
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左が子どもで右の白いかたまりが胎盤。
胎盤を抱えて寝てるみたいで、ちょこっと手が動いたほかは今回はあんまり動きませんでした。
この胎盤が完成するのが16週くらいまで。
で胎盤が完成すれば、流産の可能性はぐんと減るそうで、この時期からをいわゆる「安定期」と言うんですね。
一ヶ月前の12週の頃にくらべるとすっかり赤ちゃんぽくなってて、びっくり。
12週の頃は、なんというか、大人の人間のミニチュアみたいなプロポーションで、足がなが~いんです。手を口にもっていったり、じっと見てると突然ぴょこんと跳ねたりしてました。

さて検診のすぐ後のこの連休、結婚式と披露宴のために、沖縄と福岡に行きました。
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沖縄には神社仏閣はないし、ふたりともクリスチャンでもないので、式は必然的に人前式で、遠いこともあって、双方の親だけ参加の小さな式を挙げました。
なんで沖縄?なのですが、沖縄はわたしにとって命の恩人と言ってもいいところで、7年間治らなかった不眠症を治してくれた島なのです。
沖縄に行ったことない旦那と双方の親に無理を言って沖縄で式を挙げさせてもらいました。感謝です(涙)。
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でも着いたその日から当日にかけて、打ち合わせ・衣裳合わせ・段取り確認・ヘアメイク・リハーサル・後片付け、と大忙しで観光できた時間はわずか。。。
また次回のお楽しみになりました。安定期に入ったとはいえ、ハードスケジュールにさすがに夜はぐったりでした。

そこからさらに九州に渡って、福岡で旦那の親族と簡単な披露宴(お食事会のようなもの)をしました。初めて福岡の親族に会った母は、みんな明るくて裏表がなくて、土地柄でずいぶん人も変わるものだと驚いてましたが、わたしも初めて九州に渡った時はホントに文化が違うなーと思いました。博多出身の親戚にそう言ったら、「博多と九州は違う!」と一喝されましたが。。
でもおかげさまで、とてもいい披露宴になりました。
福岡のみなさま、お仲間に入れていただいてほんとに嬉しく思っています。今後ともどうぞよろしくお願いします。m(__)m

式とか披露宴をやって、結婚したんだなーという実感がわいてきました。
やっぱり入籍だけだとなんとなく実感がわかなかったのですが、気持ち的にけじめが着く感じで(経験者からそうは聞いてましたが)、なんだかいいものでした。

帰って昨日今日は、7月の地域創造主催の松本でのアウトリーチのための研修に熊本から参加していたMちゃんがうちにやってきた。東京で過ごした連休はとても充実していたようでなによりでした。劇作家の卵として、がんばってね。応援してマス。


さて明日からはmmpの新作、「Life On The Planet」の稽古が始まります。
ここのとこのハードスケジュールで、うかつにも風邪をひいてしまいましたが、産前最後の作品になります。よい作品になるように精進したいと思います。



@CANAL CAFE

打ち合わせのためひさしぶりに都心に出る。img20090908_1.jpg
電車に乗るのもひさしぶり。
妊娠してから、とにかく電車に乗るのがきつくなった。
というのは、ながい時間立っていることができないからだ。
で、妊婦マークというものがあって、優先席にシールが貼ってあるあれです、「おなかにあかちゃんがいます」ってやつですが、これつけて電車に乗ってても、一度も席をゆずってもらったことはありませんでした。
悪阻期がどれだけきついかということが世には知られていないんですね。もちろん自分自身も知らなかったし。
みなさま、「おなかにあかちゃんがいます」マークをつけた妊婦さんがいたらぜひぜひ席をゆずってくださいませ。よろしくお願いします。

で今日はお昼からお花いっぱいの運河沿いの飯田橋 CANAL CAFEにて2件の打ち合わせ。
ひさびさのお出かけの緊張からか喜びからか、ゆうべは一睡もできず、朝から打ち合わせの準備をして出かける。

一件目は都内の小学校での読み聞かせワークショップを依頼してくださった知人のWさんと。
小2の男の子と4才の女の子をもつWさんとは、打ち合わせもそこそこに、妊娠出産についていろいろ体験やアドバイスを聞かせてもらう。経験者だからわかることもたくさんあって、なんだか安心して、勇気をもらえた。身近に出産経験をもつ人があまりいなくて、体験談を聞く機会もなかったので、とてもたすかりました。Wさんありがとう~(涙)。

二件目は秋の新作のチラシ打ち合わせで、川崎市アートセンター制作のSさんCさんと、ご推薦のデザイナー青木正さんと。
新作は11月半ばの公演になるが、わたしの悪阻がひどかったため、いろいろ進行が遅れてしまった。
今回は、「人工閉鎖空間」が舞台のフィクショナルな作品になる。
フィクションといってもそもそもの出発点は『アトミック・サバイバー』の取材で訪れた青森県六ヶ所村にある「環境科学技術研究所」なる施設に実在する人工閉鎖空間で、その場所から発想を得たものである。
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中では稲や植物が人工の光と水と空気によって育てられ、2匹の山羊が飼育され、この空間内での自給自足をめざした実験が行われている。前回の日記で触れたアリゾナの実験施設「バイオスフィア2」のミニバージョンみたいなものだろうか。
テキストは京都の劇作家、松田正隆さんにお願いしている。
テキストといってもいわゆる「戯曲」ではなく、断片的なシーンの書かれた、編集可能なテキストピースである。
山口YCAMで新作公演を終えたばかりの松田さんはただいま京都にて第1稿を執筆中。
青木さんには、出発点やテーマや現時点でわかっている内容をお伝えし、ヴィジュアルのキーワードをいくつかあげてデザインをお願いした。
進行の遅れから、10月1日完成予定というハードなスケジュールになってしまってたいへん恐縮でした。

打ち合わせ終えて15:30、電車に乗って夕方には無事、家に帰りつきました。ほ。



「犬の日」

「犬の日」なので、腹帯をつける。
昔からの風習で、犬のお産が安産であることにちなんでいるという。
4ヶ月にしてはおなかがふくらんでいる。
早い人だと3ヶ月くらいから腹帯をつける人もいると聞いて、ちょうど今日が犬の日だったので、今日から腹帯と決めていたけど、つけてみるとさすがにまだ前がちょっとぶかぶかしている。
これで腰痛も軽減されるらしい。
これから半年間、この帯と一緒に過ごすことになる。

昨日はひさしぶりに暑さがぶり返したせいか、一日中眠くて眠くてうとうとしていたけど、今日はまたすっかり涼しくなったので、意識がはっきりしている。

アマゾンから11月の新作の準備のために買った、スタニスワム・レムの『ソラリスの陽のもとに』が届く。これはA.タルコフスキーの映画『惑星ソラリス』のもとになった本である。
もう一冊、『バイオスフィア実験生活―史上最大の人工閉鎖生態系での2年間』も買ったけど、こっちは中古で届くまでもう少しかかりそう。
これは20年前のプロジェクトで、人工閉鎖空間の中にバイオスフィア(小さな地球)を作り、人工管理して、そこで収穫されたものだけを食べて過ごすという実験の記録で、warabiちゃんからのオススメ。
ほんとなら、今日あたりからまた六ヶ所村に行くはずだったんだけど。

このあいだ、遅ればせながら初めてイデビアンクルーの公演をみた。
井手さんとは巣鴨のレジデントで一緒で、ふだんとてもチャーミングな人だけど、やっぱりダンスもチャーミングだった。
たくさんのダンサーが舞台をかけまわっていた。

3才の頃にかかった重い肺炎の後遺症で、運動ができなかった。
家が印刷屋だったせいで、家にはたくさん紙があって、「うすい紙」とよんでいた透けるような薄黄色の紙が好きだった。家の中で絵ばかり描いていた。
一緒に遊んでいた元気な子どもたちは、塀を乗り越えて向こう側に消えて、
塀を越えられなかったわたしはすごすごと家に入る。
紙とクレヨンで絵を描いていると、おいてけぼりの淋しさからいつのまにか解放された。

イデビアンの自由に駆け回るダンサーたちを見ていると、あんなふうに走り回ることができない今の自分を感じて、あの頃の記憶がふとやってきた。
案の定、途中で具合が悪くなって一度外に出たけどなんとか最後まで観た。

7月の地域創造の松本の研修で一緒だった、岩下徹さんのマネジメントをしてるシガさんが、「コンテンポラリーダンスは型がなく、ダンサー個人の資質から生まれるもの」と言っていたけど、ほんとにそうだなあと思った。





4ヶ月

はやいことにもう9月です。
世の中は選挙に政権交代に沸いていますが、わたしにはなんと選挙権がありませんでした。そんなことってあるの!?と思いましたがあるんです。ひどい法律が。なにも悪いことはしていないのに、選挙権が与えられないことが。選挙管理委員会に何度かけあっても無理でしたが、この問題は放置せず法律を改善してほしいとお願いするしかありませんでした。ヒドイです。

さて、またまた時間があいてしまいましたが、今、ブログを確認してビックリ。
8月半ばに書いた日記が消えている!ドリコムのシステム障害の影響だと思いますが、ドリコム、あまりにシステム障害が多いです。

さてさて、さまざまな災難困難に見舞われ、いつ上演中止になってもおかしくなかった8月の円アトリエ公演『僕らは生まれ変わった木の葉のように』も、おかげさまで無事に終了しました。
ご観劇くださったみなさま、本当にありがとうございました。
幕が開いたのが奇跡的でしたが、これも主宰の荒川くんの「絶対中止しない」という執念ゆえだったのではないかと思います。

そして、仕事の関係の方々にはお知らせしていましたが、わたしは現在妊娠4ヶ月になります。
円の稽古と本番にちょうど悪阻のピークが重なってしまい、現場にはいろいろ迷惑をかけてしまいましたが、周囲のフォローによってなんとか最後まで務めさせてもらいました。本番中、現場に行けなかった日もあり、ご挨拶できなかった方々もあり、申し訳ありません。

悪阻は人によってだいぶ差があるようですが、わたしの場合は夏の暑さも重なってかとてもひどくなり、熱中症のような症状も出たりして、寝たきりになってしまう日も多々ありました。こんな状態がいつまで続くんだろうと思うと苦しかったですが、世のお母さん、妊婦さんたちの多くはこんな思いをしてきたんですね。ホントに無知でした。
最近は、4ヶ月目に入って悪阻のピークが過ぎたせいか、涼しくなってきたせいか、少しずつ楽になってきましたが、病気でもないのになんとなく病人のような生活を送っています。
とにかく人生初の体験で、とても驚くことが多いです。
多くの人に知ってほしいこともあるので、また書きます。



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