阿部初美のブログ

演劇の演出家です。

2009年05月

青い森へ行く

この大忙しの合間をぬって青森に行ってきました。
行きの夜行バスはGWの渋滞で東京-青森がなんと12時間。

弘前の桜。ソメイヨシノはもう散ってましたが、シダレザクラは満開花
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池の水面には桜の花びらが。
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十和田市現代美術館。ここも渋滞で中に入れませんでした(泣)。
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新緑の奥入瀬渓流。マイナスイオンがいっぱい笑い
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奥入瀬渓流を進むと十和田湖に到着。遊覧船からボート
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岩木山。立派!
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帰りは渋滞にまきこまれず予定通り到着。
風邪っぴきの連れは熱出しながら点滴しながらのソーゼツな旅でした、、、いつかリベンジをば!
9月には新作の取材でまた六ヶ所村にゆく予定です。


続・学童保育

さて学童保育2回目は、小学校1~5年生まとめて15、6人、いや20人くらいいたのかな?こういうワークショップも初めての体験です。
1年生とそれ以上は分けて、と聞いていたのですが、行ってみたらいるじゃありませんか1年生が。しかし1回目で傾向は多少つかんだので、対策をたてて臨む。
でも上の学年はもう多少人間らしくなっているので、「立って~」と言わなくてもちゃんと立つから、それにつられて1年生たちもちゃんと立つのであった。
それに、下の子たちがうまくできないと上の子たちが面倒をみてくれたりする。こういう景色はなかなかいいものである。
やっぱり上下の交流は必要ですね。

この2回目のワークショップは主催側の希望で、「フレンドシップゲーム」というタイトルで行われ、演劇ワークショップの、相手との関係作りの要素をメインにした内容で、4月のこの時期、新しく学童保育にやってきた子たちのための友だち作りを目的にしたものでした。
結果は、このワークショップを通して、多くの子たちは仲間になじんでいきましたが、そうでない子もいました。大人のワークショップでこういうメニューをやると、終わるころには、たいていはすっかりみんな仲間に親しい感覚を持つようになるのですが(やっぱり自分の意志で参加してるということもあるんでしょうが)、子どもの場合はそうもいかないこともあるんですね。これも繰り返していけば多少効果はあるのではという気もするのですが。

問題をかかえた子は、他の子どもたちとの関係がうまく作れず、いやな子と組まされるとゲームを放棄したりすることもある。いじめもそうだけど、こういう問題に実は演劇はものすごく力を発揮する。他者の役を演じることで、他者の立場を経験したり、自己や他者あるいはその関係性に気づきをもたらす機能があるからだ。ただこういうケースには、信頼関係をがっちり作って慎重にとりくまなければならないし、繰り返してつきあう必要がある。

今回気になったのは、数人の女の子たちだった。どんなに話しかけても、自分の番になっても、反応がほとんどない~・・・しかもわざと反応してないわけでもなさそう。企画のSさんは「発達障害なんじゃないかと思っちゃいましたよ」って言ってたけど。とくにこういう子たちはゲームを通しても見た目にはまわりとの関係にほとんど変化が見られなかった。
男の子たちは年齢相応にいたって元気。いつも思うけど男の子はたいへ~~ん!じっとしてないし乱暴だし、とにかく元気すぎ、、、がまあそんなもんなんでしょう。ちょっと自己主張の仕方が気になる子もいたけど、そんなに問題の深そうな子はいませんでした。
あとはやっぱり男の子たちと女の子たちの関係。この時期の男の子たちの乱暴な態度に女の子たちは辟易、っていうのは今もそんなに変わらないのかもです。

ちょっとこの回は人数が多かったせいもあって、全体の統率の方がたいへんで、ゲームの内容に関する子どもたちの反応はあまり見られなかったけど、とにかく友だちになろうという目的はある程度は達成されたかな~って感じでした。
小学校1年生から始まって5年生まで、ワークショップを通して、わたしもいろいろ発見させてもらえた2日間でした。


学級崩壊!?

先月、学童保育で演劇ワークショップをやりました。
1回目が小学校1年生のみ6名程度、2回目が小学校1年生から5年生まで15、6人。

だいたいこれまでのワークショップは小学校高学年からが対象だったので、それ以下は今回が初めて。小学1年生は日本語通じるのか~?と思っていましたが・・・通じました、がしかしけっこう宇宙人的でした。
「これからゲームをやります、はい、みんな立って~」というと、「ヤーーダーー!」
・・・とにかく立つのがイヤなご様子。
それでも保育士さんたちのアシストで、なんとか立たせてシアターゲームは始められたものの、少しするとまたいつのまにか全員が床にべた~っと転がっている。
でさらに「もうツカレターー、もういっかいでやめにしてーー」
たった6人でこんな調子なんだからこれが何十人も集まった学校で、担任の先生ひとりだったらそりゃ学級も崩壊するわな~。
とにかく子どもたちは見ているのである、この大人はなめていい大人なのか、なめてはいけない大人なのかを。新学期が始まると、この品定めはだいたい1週間続き、そこでもう関係が決まってしまうということなのでした。「宇宙人」というよりも「動物」??

なぜ小学校1年生の学級崩壊がおこるようになったのか、とても興味深い話を支部長からお聞きした。「ゆとり教育」が学校で導入されたのと時期を同じくして、幼稚園でも「のびのび教育」なるものが導入されたということだった。「ようするに、ほったらかしですよ」
規律を守ることを学ばずに育った子どもたちが、小学校に入ってとつぜん机と椅子に一日拘束されて規律を守るように言われても、そりゃーなかなかそうもいかないだろうなーということは想像がつきますね。この現状に対して、品川区が対策に取り組みはじめたと朝日新聞にありましたが。

さてシアターゲームの方はというと、やっぱり小学校1年生くらいだと、脳からの神経回路と体がまだスムーズにつながっていない感じで、体の動きがとってもぶきっちょ。いつもやってるゲームを少し簡素にして、できるところから少しずつ進めていきましたが、とにかく、そのように体が動けた、というだけで、子どもたちにとってはスゴイことなのでした。
それから、「もうツカレター」と言い出す時は決まって、自分が主役になれていない時だということに途中で気づきました。大人向けのワークショップをやっていても、自分を見てほしい愛してほしいという欲求が強くあることを感じるけど、とくに核家族・一人っ子とかで育ってる子は、そういう欲求を抑制することを学ぶ機会は少ないんだろうな~。まああちこちで修正はされていくんでしょうが。

でゲームでの反応の大人との違いは、想像力、イメージする力の強さ。
抑圧からの自己解放や、自分についての発見や相手との関係作り、想像力、五感を開くことがだいたいシアターゲームの目的になっているのですが、今回は、子どもたちの自己はもう解放されっぱなしなのでこういうメニューは必要なし。自分への気づきは難しそうだけど、繰り返しやったらなにかあるかも?相手との関係作りのためのメニューで仕掛けとして「断崖絶壁の怖いところにいると思って」と言ったら、相手との関係よりもむしろ、その怖い場所についてのイメージがものすごくふくらんだようで、そのふくらみようにはちょっとびっくりさせられました。あんまりイメージする力が強くて、途中でほんとに怖くなって、逃げ出しそうになった子もいたほどでした。
最初の印象としては、子どもは、「天使」と「悪魔」が同居してる存在、って感じかな?

ちょっとながくなったので、2回目の1~5年生のワークショップについてはまたあらためて。つづく。


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