阿部初美のブログ

演劇の演出家です。

2012年08月

としまASワークショップ参加者追加募集

残暑が厳しいですね、、、雨乞いでもしたいくらいです、、「暑さ寒さも彼岸まで」というから、まだきっともう少しがまんの日々なんでしょうね。しかし体にこたえます。。。

としまアートステーション構想
「としまで子育て〜子育てを考えるワークショップ」
参加申し込みをしてくださったみなさま、本当にありがとうございました。
子育てサポートが必要な方、サポートしたい方、いずれ子どもがほしい方、いいバランスで徐々に集まりつつあります。

本日は、参 加 追 加 募 集 のお知らせ です。

今回は、参加条件のハードルが高かったのと、募集期間がお盆中で短期間だったこともあり、広報がまだ浸透しないうちに〆切日がきてしまう事態になってしまったので、〆切を先延ばしすることになりました。
さらにいろいろ問い合わせを受けた結果、参加条件をもう少しゆるく することになりました。

結果、
9月6日(木)、15日(土)、20日(木)、29日(土)の4回は、
参加自由、出入り自由


つまりいつ参加してもいいことになりました。お試し参加 期間みたいなものですね。

で、10月からは少ししぼりこんでいって、残ったメンバーで発表をします。


         

こどもを産み育てること。


現代はこのあたりまえの営みをあたりまえにすることが難しい時代になっていると感じます。


産む産まないという選択、女性のキャリアの中断、男性の育児参加、昔ながらの子育ての知恵と科学的な知識や情報との対立、こどものしつけや接し方、経済的な不安、地域のつながりの断絶、ママ友とのおつきあいなどなど、子育て周辺にはどうしたらいいのかわからないような問題があふれています。


短い時間ではありますが、そんな問題をみなさんと一緒に、誰にでもできるような演劇の手法を使って考えていきたいと思っています。


「としまで子育て〜子育てを考えるワークショップ」


         

ワークショップ参加者(出演者)募集

九州に行ってる間にできてました。

としまアートステーション構想「としまで子育て〜子育てを考える」ワークショップの専用HPです。
http://www.toshima-as.jp/projects/2012/kosodate.html

&、このワークショップでは最後に発表会(小さな演劇作品の上演)をするので、参加者は必然的にその出演者にもなり、参加者の募集も始まりました。
もちろん全日程に参加できない方や、発表会に参加できない方も参加はできます。

年齢、性別、職業、子育て経験の有無はいっさい問いません。子育てや子育て周辺の問題に関心のある方ならどなたでもOKです。お気軽にご参加ください。
〆切近いですが、多少〆切すぎても大丈夫だと思います。
以下専用HPより。

                  

としまで子育て 子育てを考えるワークショップ

演劇ワークショップで子育てについて考えませんか?
今回のワークショップでは、幅広い世代の方々と地域や社会の中での子育てについてみんなで考えていきます。この企画は自身も子育て中の演出家・阿部初美の 体験にもとづき考案されました。個人の人生においてだけでなく、家族の間で、社会のなかで—様々な視点から子育てを考え、表現し伝えることで、未来を開く ことができるかもしれません。ワークショップでは参加者それぞれの「子育て」についての疑問、興味、困り事などを伝え合い、共有します。最終回には演劇作 品としてまとめ、ささやかな発表会を行う予定です。みなさまのご参加をお待ちしています。

・子育てに関する本を持ち寄り朗読する
・子育てに関する問題などをテーマに人形劇をつくる
・自分が子どもだったころを思い出し表現してみる
・子どもを観察し、行動をマネしたり実況中継する
・子育てについていろいろな人にインタビューし発表する
・発表に使う音楽や舞台美術を考える など。

日程

ワークショップ

2012年9月6日(木)、15日(土)、20日(木)、29日(土)、
10月4日(木)、18日(木)、20日(土)、27日(土)、
11月8日(木)

リハーサル  11月17日(土)

発表会 11月18日(日) /全11回


時間10:00-13:00

リハーサル・発表会については時間変更の可能性があります。

会場

としまアートステーション「Z」

参加費 1,000円/全11回

〈対象〉子育てについて考えたい方

育児中の方だけでなく、プレママ、学生さん、ビジネスマン、子育てを終えた方など歓迎。
子育てや演劇の経験は不問です。
*特別な用意はありませんが、お子様との参加もできます。

定員 15名程度


参加条件

ワークショップに4回以上参加でき、かつリハーサル(11月17日)と発表(11月18日)に参加できる方


【参加申し込みについて】

応募申込書にご記入の上、郵送もしくはメールでお申込みください。

〈応募先〉としまアートステーション構想事務局 「阿部初美WS」係宛
〒171-0032東京都豊島区雑司が谷3-1-7千登世橋教育文化センターB1F
としまアートステーション「Z」

応募申込書をダウンロードするか、
応募申込書の①~⑧の項目をメール本文に記載の上toiawase@toshima-as.jpまでお送りください。

件名に「阿部初美WS募集」とご記載ください。

①お名前(ふりがな):

②年代:10代 20代 30代 40代 50代 60代以上

③ご住所:

④ご連絡先:

(昼中連絡のつく)電話番号/メールアドレス*携帯のメールは不可

⑤参加日程:
ワークショップ 9月6日(木)、15日(土)、20日(木)、29日(土)、
10月4日(木)、18日(木)、20日(土)、27日(土)、
11月8日(木)
リハーサル  11月17日(土)参加必須
発表会 11月18日(日)参加必須

合計参加回数 計   回 *4回以上参加

⑥特技:

⑦子育てについて今思うこと(ご自身と子どもの関わりなど)

⑧その他、ワークショップに関する質問などがありましたらお書きください。

 

応募締切 2012年(平成24年)8月24日(金)

*応募者多数の場合、選考があります。
*選考結果は8月31日(金)までにメールもしくは電話にてご連絡します。





長崎精霊流し、豊島取材

夫の実家が福岡にあるので、お盆を九州で過ごしてきた。
九州にご縁ができてから憧れの地であった長崎にも遠い親戚ができて、今年は精霊流しの晩をその親戚の家で過ごさせてもらった。
初めてみる精霊流しはとても印象深く、山の上から聞いた、街全体に残響する激しい銃撃戦のような爆竹、うつろに響く鐘の音、白煙と火花の中をゆっくりと死者たちの船が進む、この光景は忘れられそうにない。
画像IMG_0919
その晩、亀山社中にほど近い親戚の家では食べきれないほどのご馳走がふるまわれた。それは長崎のおもてなしの作法だとあとで聞いた。親戚のおばさんは遠い親戚ではあるけどよそ者であるわたしたちに対してもとても率直でオープンで、長崎の人がみんなこんななのかはわからないが、異文化を受け入れることで発展してきた長崎の歴史を思わずにはいられなかった。しかしどこか、自分の大事にしていることは心のうちにその思いを秘め、親しい人にも家族にも本心を話さない、という面もあるらしい。
そういえば長崎出身の演劇人には岩松了さんや松田正隆さんがいるが、この二人の作風はやっぱり長崎文化によるところが大きいのかもしれない。
一年ぶりに訪ねた長崎は、やっぱり光と影のコントラストの強い街だった。

福岡の親戚にはまもなく3歳になるメグという女の子がいて、うちのKとは同い年になる。メグは年のはなれた兄姉がいるせいか、なんでもできるようになるのが早い。ひさしぶりに会ったメグはもうすっかりオムツもはずれていて、ちゃんと「おしっこ!」と知らせることができる。その様子をみていたKは、対抗心からか、おしっこの前に「おしっこ!」と言うようになった。しかしちょっとメグと離れるとまた「もうぱんつにしちゃったよ」とか言ったり、なんにもなかったかのようにオムツライフにもどってしまったりもする。それでも、「おしっこ」のお知らせが少しでもできるようになったのはすごいことで、トイレトレーニングを始めてから1ヶ月ちょっとがたったけど、膀胱の成長ぐあいには個人差もあるみたいだし、最近は長い目でみようと焦らなくなってきた。

8月に入ってからは、週に一度、円の研究生をよんで、うちで課外授業をしている。この20年くらいの間にためた世界の演劇作品の記録映像のコレクションをダイジェストで観てもらっているのだが、平均20歳の彼らにとっては初めて接する現代演劇で、演劇の印象がだいぶ変わったようだ。
わたしも演劇を観て志したのは同じくらいの頃で、ポーランドのカントールの作品なんか観てわけわかんなくても面白くて仕方なくて、次々面白いものはないか探してまわっていたけど、今はどうなんだろう。「分からない」ものに対して、「わからないけど面白い」という興味が勝つのか、それとも「わからないから近寄れない」という及び腰が勝つのか、経済が低迷するとだいたい文化も保守的になるけど、わかならいものをおもしろがれないのはちょっとさみしい。
としまアートステーション構想のトークの打ち上げで、アートポイント東京ディレクターの森さんが「わかりやすいものはすぐ消費される」とおっしゃっていたが、本当にその通りだと思う。

としまの方は、二カ所、取材に行ってきた。
取材に行く時間のとれないわたしを気遣い、同じ企画の枠で「T-abele」をやる劇作家の岸井さんが、自分が調べたとしまの情報をわたしに提供し、その映像をネットでながすという企画を提案してくれたが、それもまだぜんぜん実現できない。とにかくわたしにあたえられた時間は週3日、一日約5時間(お昼ごはん含む)なのだ。それをどうしたら有効に使えるか、本当にいつも悩む。

それで行ったのは、東部こども家庭支援センターと、大塚にある巣鴨教会の二カ所だった。
前者を船橋では「子育て支援センター」といったが、わたしは船橋時代このセンターを一度も利用しなかった。利用したくなかったわけではない、利用できなかったのだ。まず場所が遠すぎて、ベビーカーを押して徒歩では簡単に行けない距離にあったこと、やっと自転車移動が可能になって、行こうと思ったら震災後の耐震補強工事のため半年間施設が閉鎖してしまったことが理由である。
としまも東部は工事中だったが、もと保育園だった建物を改装して仮の場所でちゃんと運営されていた。飛び込みだったが、事情を話すと職員の方が施設内を案内してくださり、業務内容についてもお話してくださった。その印象は「手厚い」の一言につきる。こんな施設の近くで子育てできたらどんなに救われただろう。施設内には、時給でこどもをあずけられる一時保育があり、限度は週3日だというが、例えば船橋の公立保育園の一時保育の限度は月に2日だった。それからランチできるお部屋があったり(冷蔵庫の使用もOK)、赤ちゃんルームがあったり、もう少し大きいこどもたちが遊べるようなスペースがあったり、職員の方々もあちこちを見回り、こどもの世話を手伝ったり、母親に話しかけたりしている。職員の方が声をかけるとその場で泣き出してしまうお母さんたちも多いそうで、施設には小さな個室も2つほど用意されている。赤ちゃんのお世話で十分に睡眠のとれていないお母さんには、代わってこどもの面倒をみる間、その部屋で仮眠をとってもらうこともあるという。
もしわたしがここの利用者だったら、わたし自身もそんな状況になったかもしれないと本当に思う。
「ここは子育て中の親のための施設です」と職員の女性がいう。
「こどもを産んだからといって、誰でも母親になれるわけではありません。」
ここは24時間体制で子育て支援を行っていて、緊急の電話が入ったときは、サポート部隊が現地に駆けつけることもあるそうだ。豊島区が本気でこの問題に取り組もうとしている、その姿勢がよく伝わってきた。
たまたまこの施設をとおして知り合ったこの地域で子育て中のMさんも、ご自身の実家も旦那さんの実家も遠く、よくこの施設を利用しているということだった。「近所の人は毎日行っちゃいますよ」と言っていた。フランスほどの手厚さではないけど、こんな施設が近くにあったら、ほんとにどれだけ救われるかわからない。

もう一カ所、九州から帰った翌朝の取材先は巣鴨教会の日曜礼拝だった。
わたしはキリスト教にはなんの関わりもなく生きてきて、礼拝というのも生まれて初めての経験だったけど、これはなかなか貴重な体験だった。
中世にはキリスト教劇の時代があったけれど、この礼拝というもの自体がとても演劇的なのだ。
奥には一段高い祭壇があり、牧師がその上で説教し、集まった信者は祭壇に対面するように横に長いベンチのような椅子に腰掛け、聖書をテキストにキリスト教世界のイメージを共有する。
人々は日曜の朝、日常からやってきて教会の扉をくぐり、非日常の時間、空間、イメージを共有し、心を浄化し、また教会の扉から日常の世界へ出て行く。それは精神衛生を保つためのとても有効な装置だったに違いない。ベケットだったか誰だったか、20世紀の作家が言った。「美術館でもなんでもいい、教会のような、瞑想空間が現代人には必要だ」と。
この日は常駐の牧師がお留守で、神学生の女性が代理としてお説教をしてくださったのだが、それは本当に興味深いものだった。いろいろあったけど、なかでもとても面白かったのは「悪には存在理由がない」というキリスト教の考え方だった。
もしうちの近所にいい教会があったら、少し日曜礼拝に通ってみたいなとも思った。
礼拝の後、この神学生の女性と少しお話する時間をいただけたのだが、「宗教と芸術の共通点や違いはなにか」とか、キリスト教の歴史とか、なぜ神学生になられたのか、とか、とても興味深い話になった。教会というものは人を招くものらしく、自分の意思で来たつもりでも、実はよばれてきたんですよと牧師夫人は言ったが、たまたま女性の神学生の代理の日にあたったのも、もしかしたらこどもを産んで仕事のキャリアをあきらめなければならなかったという経験を持つこの人に会うためにまねかれたのかもしれない。
それにしてもよくこんな分厚い聖書と世界観を作り上げたものだと今さらながら感心する。
ここはプロテスタントの教会だったが、とても簡素なつくりで、祭壇の傍らのパイプオルガンが鳴り響き、賛美歌合唱になると、まるでスイスの演出家マルターラーの舞台だった。
ここにきた目的の一つは、作者不明のキリスト生誕の古い絵を探すためだったのだが、その絵が誰のどの絵なのかはわからず終いだった。


としまアートステーション構想「としまで子育て〜子育てを考えるワークショップ」の専用HPできました。参加者(出演者)の募集もはじまりました!















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