阿部初美のブログ

演劇の演出家です。

演劇ワークショップ

産み育てを考えるWS(第2週目)in鳥の演劇祭

img_20191025_144036
昨日、2週末にわたって開催の全8回のワークショップを終えて帰宅しました。
ご参加いただいたみなさま、準備を整えサポートしてくださった鳥の劇場のみなさま、本当にありがとうございました。
2週目のスタートは鳥劇のある鹿野の町から車で15分くらい?、山陰本線の「浜村」駅近くにある気高町子ども食堂くるりから。残りの3日間は鳥劇近くにオープンした鹿野町のしかの宿山根町にて。今年はこの2週間のWSでずいぶん鳥取の子育て事情が見えてきました。


1日目 11月1日(金)18:30ー21:00 
気高町スマイルセンター子ども食堂くるり

参加:Bさん(2児のパパ)、Yちゃん(5歳男児のママ)、Yさん(3児のママ)、Kさん(2歳男児のママ)、Mさん(女児のママ)、鳥劇俳優の大川さん

18時から子ども食堂がオープン。われわれも食堂で大人200円、子ども無料の手作りごはんをいただいて、18:30からワークショップスタート。利用者さんの参加が3名と少なかったのは、WSに参加しようとすると食事の時間が30分しかとれなかったり、小さな子どもたちを膝の上や隣の席に座らせて面倒見ながらの食事は簡単に席を立ちにくい状況だったり、毎週会う友人と話がしたいとか、聞いたことのないイベントへの警戒心もあったと思う。興味をもってくれた方も、子どもが離してくれなかったり、「21時までは無理」という声もあった。みなさんはだいたい20時半頃に帰宅されるというから時間帯も難しかったのかもしれない。利用者のほとんどは母子で、たいていは小さな子どもを2~3人連れて来られている。お隣の席の方に聞くと「パパは仕事」とのこと。金曜なので母子はここで食べて楽をして、パパたちは飲みにいく、という感じなのかなと想像する。
それでもご参加くださった3名の方の1人はこの日子ども食堂初利用という小学校で先生をされているパパ(男性利用者はこの方お一人)、3人のお子さんのママ、1人のお子さんのママでした。
関心事をそれぞれ書いていただいて、3人ずつのグループに分かれて人形劇を作ることに。

グループ1 みんなさみしい
お盆で実家に帰省してきた姉と弟、それぞれ家庭をもち子どもたちも一緒。子どもと孫を喜んで迎える親(おじいちゃん、おばあちゃん)が姉と弟に近況をたずねる。
姉は3人の子どもを育てているが、上の子が小学校に入学し、将来の子どもたちの自立の予感を感じ、子どもたちがいずれ自分のもとを離れていくことを想像して今から子離れできるかどうかを不安に思っているとうちあける。「子どもはみんな出ていくのよ、あんたたちだって出ていったじゃないの」とおばあちゃん。
一方、弟は2人の子どもを育てているが、下の女の子をついかわいがってしまい、上のお兄ちゃんがさみしい思いをしているのではと危惧している。姉は「上の子」として、下の弟ばかりかわいがっていたと両親(おじいちゃん、おばあちゃん)を責める。「そんなことはない💦」とあわてるおじいちゃんおばあちゃんは「それよりあんたたちももうちょっと実家に帰ってきなさいよ!わたしたちだってさみしいのよ!」と言う。
------
上演後の話し合い
やはり子離れはとても辛いと言う人が多い。子離れに向けて親も趣味や仕事などを見つけたり心の準備をしていった方がよさそう。上の子と下の子、両方かわいがっているつもりでも上の子がさみしい思いをしている場合が多い。上の子にもたくさん愛情をかけるべし。

グループ2 ママになって
イケてる独身生活を楽しんでいた頃の様子。結婚して子どもを産むと、、、家事育児に追われ、夫の協力は不十分。どんどん黒ママになっていってしまう。
------
上演後の話し合い
独身時代のイケイケなシーンが入っていたのがよかった。その後の変化が際立つ。一見すると独身時代の方が楽しく、よかったと感じられるかもしれないが、子どもを産んでからは子ども優先の生活になり、他者(子ども)のために自分を犠牲にするという経験を通して実は楽しかった独身時代よりも人として成長しているのでは。エゴからの解放。
img_20191101_202535

この日も出てきたのはパパの家事育児への協力の不足問題でした。


2日目 11月2日(土)10:00−12:30 
しかの宿山根町

参加:Aちゃん(5歳、3歳、1歳のママ)、Mちゃん(2ヶ月の赤ちゃんのママ)、Hさん(75歳)、鳥劇れなぞうさん(7歳女子のママ)

この日のメンバーはそれぞれ状況がバラバラで、たまには子どもの真似をしてみるとか実況中継してみるとか子どもに寄り添うワークショップをやってみてもよかったけれど、演劇祭真っ只中で場所の確保が難しく、山根町のキッチンとリビングはせまくてモノもいろいろあって、そういうワークショップをすると走り回れるようになった年頃の子どもはものすごくはしゃいでしまって危険がともなうので、子どもたちが元気に動き回る中で、子どもにイライラしてしまうれなぞうさんとAちゃんのペア、75歳のHさんと2ヶ月の赤ちゃんのママMちゃんのペアで今日も人形劇。

グループ1子どもにイライラ
子どもの意思を尊重したり発達段階に応じた子育てを提唱するモンテソーリ実践中のママ。好きなテレビを見終わるまでお風呂に入りたくないという子どもの意思を尊重し待つが、テレビが終わるとおじいちゃんと遊びはじめてしまい、イライラしてしまう。子どもはそういうものなのに、イライラしてしまうわたしおかしい?

グループ2子育ての苦労と喜び、街頭インタビュー
Mちゃん・妊娠、出産、2ヶ月の赤ちゃんを育てながらこの人生の大きな体験で自分の心と体の大きな変化を感じている。独身時代、「弱者」をどこか他人事のように感じていたけど、初めて自分が「弱者」の立場を経験して他人事ではなくなった。子どもたちが育って生きていく「社会」を考えるようになった。100年後の世界はどうなっているのか。
Hさん・子育ては子どもを育てるが、自分も子どもに育てられる。新しい経験をたくさんさせてもらえる。
------
上演後の話し合い
まだ、どこか神聖な感覚のある出産を終えたばかりのMちゃんにとって子どもにイライラする日々は未知の世界。数年後には自分もこうなっているのかも!?日々3人の子どもの世話におわれるAちゃんにとって「100年後」のことを考えられるMちゃんすごいな!バラバラな状況だからこそお互いの状況や思いを知る新鮮さがありました。演劇の視点からみると、「イライラするのはおかしい」のではなく、それが人間であり、そういう心の動きがあるということをまず認めて受け入れていく、ということになります。演劇は人間のあらゆる感情や思考の可能性を、目をこらし、心をすましてキャッチし、それを身体なりなんなりで表現していく芸術であるとわたしは考えています。

3日目 11月3日(日)10:00−12:30 
しかの宿山根町

参加:演劇祭の研修生の若手演劇人3名、Kさん(2歳男児のママ)、鹿野へ移住を決めたご夫婦YさんとMちゃん(2ヶ月の赤ちゃん)、Yちゃん(5歳男児のママ)、Hさん前半のみ参加(75歳)

演劇祭の研修生3名が参加してくれました。ワークショップや作品で積極的に社会と関わりたいという若手演劇人がこんなにいるのに驚きました。演劇人たちの意識もだんだん変わってきてるんだなあと実感。
まずみなさんに関心事を書き出してもらって質疑応答からスタート。最初から積極的な話し合いになり、長い時間質疑応答を続ける。たとえばYさんからはジェンダー問題、男には育児や家事ができないと最初から決めつけられバカにされてる感じがする(ちょっとしたことをしただけで「お父さんなのに立派ですね」と褒められたり)。未婚の女性の研修生から「いつ産む?ライフプランは?」という疑問、遅くなると育児と介護が重なったり、産んだ後の体力がなく辛い。またライフプランを立てても子どもが生まれるとその通りにいかないことが多い、むしろその不自由さを楽しめるといいなどの意見。
話をしばしした後、ミニワークショップをひとつ。いちばん古い記憶を思い出して1人ずつ話す。大人になると子どもだった頃を忘れ、子どもの心に寄り添うことが難しくなってしまいますが、こうして自分が子どもだった頃の記憶をたどることで、子どもの心を思い出し近づくことができたりもします。
演劇では強い感情や印象をともなう記憶は古いものに多く、それを使って自分の感情を動かすという俳優のトレーニングなどもあります。
その後は、同時期開催中の札幌の櫻井幸絵さんがファシリテートする産み育てWSで製作された札幌の子育て事情を表現した人形劇を4本、みんなで観劇後、札幌に感想を書いて送りました。
〜札幌バージョン〜
グループ1「いつ産んでもいい」若い時に産んでも、年とって産んでもそれぞれメリットはある
グループ2「同じ保育園の親が気になる」隣の芝生は青く見える
グループ3「名もなき家事」子沢山の家庭、夫は全く家事育児の協力をしない
グループ4「一人っ子」みんなで親戚みたいなコミュニティが作れたらいいね

4日目 11月4日(日)10:00−12:30 
しかの宿山根町

参加:Yちゃん(5歳男児のママ)、Fさん(7歳男児のママ)、Sちゃん(3歳児のママ)、Tさん(10代後半と20代のママ)、Hさん(75歳)、鳥劇の佳子さん

低年齢の子どもを育てるママが3人そろい、子どものへ社会のルールの教え方、しつけなどに悩みや疑問をもつという共通点があり、それをテーマに3人で人形劇製作。かたやある程度成長したり自立したりしている子どもをもつTさんとHさんと佳子さんの3人グループで人形劇を製作。

グループ1:社会のルール、どう伝えればいいの?
Sちゃんの場合・スーパーにて。子どもが売り物のぶどうを食べてしまう。仕方なく買ってすぐ車に子どもを連れていって叱る。夜、子どもの寝顔を見ながら反省。周囲の人の目が気になって車に連れていって叱るけど現場でその時叱った方がいいというし、そんなことするならもうご飯食べさせてあげない!と言ってしまったり、自分の叱り方はこれでいいのかな。。
Fさんの場合・スーパーにて。ほしいものは1つだけ買うと約束したのに2つ買うと言ってきかない子どもにイライラし、やはり車に連れ帰って説教する。家に帰ってもイライラがとまらず、その後も子どもに冷たく接してしまう。夜、子どもの寝顔を見ながら反省。大人に説教するみたいにしてしまうし、後にひきずってしまうし、どうにかならないかな。。
Yちゃんの場合・スーパーにて。ガチャガチャをあきらめない子どもにその場で説教。その後もイライラしてしまい子どもが近寄ってきても「イライラするから近寄らないで」と言ってしまう。子どもはしょんぼり「ごめんなさい」と言う。夜、子どもの寝顔を見ながら反省。叱り方はこれでいいんだろうか。。子どもに母の思いは伝わっているのかな。。
-----
上演後、先輩ママ方から「よくわかる」「同じ経験をしてきた」「叱らない親よりはぜんぜんいい」「わたしは悲しい、とかわたしはこう思う、と子どもに伝えていくのがいいと言いますね」「子どもにはその場で叱らないと伝わらない、周囲の目は気にせず、自分の信念をもって、子どもを思うなら後でではなく現場で叱るべき」などの意見。
子どもをかわいいと思い愛する気持ちと子どもの言動が許せずイライラする気持ち。子育ての中で親の気持ちはたえず揺れているけれど、その揺れは必要不可欠なもの。「子育てはこれでいい」と我が身をふりかえることのない子育てはおかしいでしょう?という北九州の先輩母の言葉にわたし自身も救われたことをお伝えする。その揺れの中から自分の信じる道を探していくしかなく、それがやはり人としての成長につながっていくんですね。
img_20191104_124926


グループ2:理想の社会
Hさんの食堂には今日もいろんな人がきます。親子、作った野菜を届けてくれる近所のおじさん、受験生。そんな人々をHさんはやさしく迎え、みんなの居場所になっています。
-----
上演後の話し合い
いまの社会は本当に希望がなく、杓子定規なルールばかり。みんなで理想の社会を作っていけたら本当にいい。子育て真っ最中のママたちからは今のこのたいへんな時期を乗り越えて、先輩ママたちのように理想の社会について考えられる境地にいきたいという感想。社会はすぐには変わらないけど、だからと言ってなにもしなければ本当になにも変わらない。そのために自分はなにができるのか、半歩ずつでもいいからそれぞれが歩いていけたらいいですね。
img_20191102_135810
FM RADIOBIRDでも鳥取の子育て事情についてご報告

鳥取東部子育て事情

今年は、二週間、8回のワークショップを通して鳥取東部の子育て事情が垣間見えてきました。
それはおもに以下2つ。
1、地元が鳥取東部のパパは家事育児協力に積極的ではない場合が多い。
2、育休1年での途中入園希望者が多く、その背景にはそれ以上休みをとると会社の人たちから白い目で見られるという事情がある。

1について、移住者のファミリーは鳥取の自然がいっぱいの子育て環境のよさの満喫しているようでしたが、地元出身のパパをもつママは夫の家事育児協力のなさに不満を抱えているケースが多く、このテーマはWS中たびたび表れてきました。平日、子育て支援センターでのWSに参加して、「また参加したいけど、夫はこういうのは好きじゃないし、夫を置いては来られないから土日の参加は無理だなあ。。。」というママの声がよく聞かれたり。そういう事情もあって、土日祝開催の山根町でのワークショップ参加者は、移住者のファミリーと、お休みの日もパパが仕事でいない家庭のママと子ども、子育てが一段落した世代、ととても少なめ。平日は子連れのママがたくさん参加してくれました。
鳥取(東部)でみなさんの話を聞いてだんだんわかってきたのは、男と女の世界、役割分担のようなものがはっきり分かれているということ(例えば軽作業は女の仕事、力仕事は男の仕事とか。PTAは女の仕事とか)。共働き率の高い鳥取ですが、やはり家事育児はママの仕事、という意識が強く、子どもが熱を出しても仕事を休むのはママ、と決めつけられ、仕方なく休みをとると、翌日会社での周囲の目が気になる、休みすぎだとか、何を言われているかわからず怖い、というママの発言が目立つ。
これまで他地域でもママの孤軍奮闘はよく出てきたテーマではありますが、気持ちはあってもそうできない理由を抱えたパパたちも多く登場してきました。それに対して今回表現されたのは、それはママの仕事、とどこか決めているようなパパたちの姿だったのかな。もちろん少数派ではありますが、家事育児しっかりしてる地元鳥取パパもいるにはいました。
img_20191028_111736

2について、こんなに途中入園ができない悩みが話題になる地域は初めてでした。鳥取では、4月入園の場合はだいたい問題なく入園できるそうです。なのに育休きっちり1年で復帰しなければならないとこんなにも焦る後ろには、そうでないと会社で白い目で見られる、「前のお母さんはこうだった」と言われてしまうと何も言えない、という思いがありました。病気の子どもの面倒を見るために会社を休んで白い目で見られるのもママたちなら、育休1年あけて途中入園させられず復帰が遅れて会社で白い目で見られるのもママたち。これはママたちのストレスはけっこうなものじゃないかと想像できます。
もう一世代前の鳥取女性たちは、PTAなどの仕事でつながって、そこでできた仲間と女子会で飲みにいってストレスを発散していたという話を去年のワークショップで聞きました。

この産み育てを考えるワークショップ、鳥取でも需要がある気がする、と開催にこぎつけてくださったのは鳥劇制作の佳子さんでしたが、その予感は的中でした。演劇祭のホストで大忙しの中、WSの準備に奔走してくださった鳥劇のれなぞうさん、ちょこちょこ参加してサポートしてくださった同じく鳥劇俳優の大川さんにも本当に感謝です。
最終日の昨日、終わって佳子さんに見えてきた鳥取子育て事情をご報告すると、働かない人を白い目で見る、鳥取東部の、あまり遊ばず真面目な気質の背景には、わたしは鳥取の1918年の地震と1952年の大火の2つの災害の影響があるんじゃないかと思うと佳子さん。これを経験したのが今70代の人たちで、この2つの災害で町は壊滅的な打撃を受け、2度の復興を必死に成し遂げてきて、遊ぶ余裕なんてなかっただろうし、そんな経験から働かない人(専業主婦や育休を長くとる人、子どもの世話で会社をよく休む人)に対して「なんで働かないの?」と白い目でみるような雰囲気ができてきたのでは、という分析だった。
だいたいこのワークショップはやって終わり、になる場合が多いが、見えてきた地域の課題に次の手を打とうと考え始めるのは、鳥劇の中島さんがやはり「地元」とつながって活動する人だからだろう。
img_20191104_134241 (1)

シェイクスピアは、演劇は鏡のように世界を映し出せと言ったけど、人は鏡を見て初めて己の姿を知ることができるんですね。

産み育てを考えるWS(第1週目) in 鳥の演劇祭

今年もやってます!

産み育てを考えるワークショップ
in 鳥の演劇祭2019

古民家が立ち並ぶ風情ある城下町・鹿野の町を拠点に毎年開催される鳥の演劇祭で、今年も産み育てを考えるワークショップをやらせていただいてます。
2年目の今年は、子育て支援センター「カンガルー」、しかの宿「山根」、気高子ども食堂の三ヶ所で、2週末にわたっての開催です。
img_20191027_134256

第1週目の先週、平日は子育て支援センター、土日はしかの宿で開催しましたが、子育て支援センターは満員御礼に近い状態、しかの宿は2~3人の少ない人数でがっつり、という形になりました。
今回は参加者のみなさんのお話から、この平日と土日の人数の落差も鳥取ならではの事情が見え隠れしていることがわかってきました。
4日間のワークショップをふり返ってみたいと思います。

1日目10/25(金)10:00-12:00 子育て支援センター「カンガルー」
乳幼児連れのお母さんを中心に12名ほど。それに後期高齢者のHさん(8回全参加予定)。いつものように全員の名前をあだなで覚えるゲームからスタートし、参加者お一人お一人に「産み育て」について関心のあることを書いていただき、その紙を並べてみんなで見て、詳しい話を聞いてみる。去年のワークショップでは人数が少なくあまり鳥取の様子がわからないままだったので、このお話に30分以上さいたが、0~2歳くらいまでの元気な子どもたちの声で、お互いの話が聞き取りにくく💦集中が保ちにくい状況になってしまいましたが、それでも共働きや専業主婦について、それぞれその理由などを中心に話を聴きあう。この日は12時までの参加者もいたので、他者とのコミュニーケーション、距離、未知の世界の歩き方などについての気づきをうながす体を使ったゲームさらりと2つほど。初参加の人がほとんどなので簡単な紹介にとどまる。

2日目 10/26(土)10:00-12:00 しかの宿「山根」
乳幼児連れのファミリーと毎回参加の後期高齢者Hさんの3名。妻はまもなく1年の育児休業を終えて仕事に復帰しようとするが、途中入園できる保育園はなく、4月まで待たなければならない状況。夫はそれならいっそ職場復帰をのばしてもっとゆっくり子どもと過ごしたら?と勧めるが妻はとにかく少しでも早く復帰したく意見がすれ違っていて、これを人形劇にすることに決める。
夫は自分の母親が専業主婦でいつも家にいて、手作りのおやつ、手作りの服などたくさん愛情を受けることができてよかったから、妻にもそうしてほしい思いがある。妻も理想はもう少し子どもといたいが会社に迷惑がかかる、気まずい雰囲気になる、「他のお母さんはこうだった」と言われるとなにも言えなくなるという。ちなみに途中入園できず困っているという話は1日目にも2人くらいの人から出ていたがやはり同じような理由からだったんだろうか?妻の両親は共働きで彼女は1年生から学童にあずけられていて、1年生の時はやはり寂しかったが、それ以降は学童でたくさんの経験をさせてもらえてよかったという。かたや75歳のHさんは女性だって働くのは当たり前、というこの世代にしては先進的な女性で、母親が働いて一緒にいられる時間は少なくても、「しっかり愛情をかけさえすれば大丈夫、自分で実証済み」という。劇にすることで、ご夫婦それぞれの考え方の背景がでてきた。こうしてみんなでご夫婦の問題を共有させていただいたことで、相互理解や次の一歩への道しるべが少し見えてきたらいいなと思う。

3日目 10/27(土)10:00-12:00 しかの宿「山根」
乳幼児連れのリピーターお母さんKさんとHさんのお二人。Kさんは去年も参加されて今年2年目。ひさしぶりに会った子どもKちゃんは2歳になってずいぶん大きくなった〜。去年、子育ての時にそばにいてほしいのは、同じ乳幼児子育て中のお母さんじゃなくて、おばあちゃんのような人、と言っていたような記憶があったので、「第三者としてどういう支援をしたらいいのかわからないから勉強しに来ました」と言っていたHさんの組み合わせはとてもよかったと思う。大阪の詩人の上田さんの子どものKちゃんが遊びに来てくれていて、小4のKちゃんも一緒に作品作れたらいいなという気持ちもあったけど、前の二日間ほぼHさんの思いに触れられなかったので、この日はHさんスペシャルデイに決めてスタート。子育て世帯にはどんな支援が必要?をテーマに人形劇を作りましょうと提案。よくよく聞くと、Hさんの次女に第2子が生まれるので、お手伝いに行く予定で、次女は第1子の時、赤ちゃんのお世話にことは全くHさんに聞かず、全部スマホで調べていて、自分はなにをしたらいいのかわからないと悩んでおられたのでした。そこへKさんが「ただ、いてくれればそれでいいんです」と、たくさんの同じ思いをもつお母さんたちの思いを代弁して伝えてくれた。やはり赤ちゃんのお世話の仕方は時代でだいぶ変わってしまったし、産院やパパママ教室で教えられることの方を信じるお母さんが多いので、それがぶつかる原因になるが、お母さんが求める支援は「そばにいてくれること」。できるならば、ご飯の支度や掃除洗濯などの家事はやってもらえると助かるかもしれませんねとお伝えすると、どこか固かったHさんの表情は、ほんとうに芯からほぐれていった。

4日目 10:00-12:40 子育て支援センター「カンガルー」
この日は乳幼児連れのお母さんたちをメインに俳優も多く参加。鳥の劇場の大川さん、山の手事情社のとのさん、円のたかみとうっしーの4人で満員御礼。遅刻や飛び入り参加もあって、20分ほど遅れてスタート。人数が多いので土日のようにがっつりはできないけど、カンガルー1日目で出た話題を掘り下げるために人形劇を作ってみることにする。多くでた3つの関心事「子育てと環境」「仕事と家事育児の両立」「子育て中の親子にどう関わったらいい?」をテーマに1グループ5人で製作。作品内容は以下。
img_20191028_101612_1

1、子育て環境
シーン1:隣近所から子どもがうるさいと言われて困る、三人の子持ちファミリー。
シーン2:子連れで買い物するママ。年配女性から声をかけられ、女の子なのに水色の服はかわいそうとか、スーパーは冷えるから赤ちゃん風邪引くわよといらんお世話をたくさん言われる。
シーン3公園で遊ぶ親子たち。木登りする子どもを危ないからとやめさせもっとやりたいとせがむ子どもを無理やり連れて帰ってしまうママ。
シーン4:以上3つのシーンの体験を愚痴るママたち。愚痴を言える人がいるっていいね。
(このグループは移住者が多く、それぞれのエピソードは鳥取ではなくよその土地の話がほとんど。鳥取は育てやすいねと思っているとのこと。)

2、仕事と家事育児の両立
シーン1:子どもが三人いる、ある家庭の朝。末っ子の赤ちゃんが熱をだす。パパとママ、どちらが会社を休むかで口論。パパは大事な仕事だから休めないと決め、その代わりゴミくらい出しておいてあげるから、お皿くらい洗っていってあげるから、と少し家事をして会社に行ってしまう。
シーン2:末っ子のお熱で会社を休んだママは翌日出社すると、会社のみんなの白い目が気になる。
シーン3:子どもが二人いるまた別の家庭の夜。帰宅したママが急いで夕飯作り。子どもたちは手洗いうがいもせずに騒がしく、そこにパパ帰宅。疲れてるから休ませてと休む。イライラ💢してついつい子どもや夫にあたるママ。

3、子育て中の親子にどう接したら?
シーン1:ある親子が乳幼児を連れたママに挨拶をするが挨拶がかえってこない。
シーン2:孫のいるおばあちゃんが乳幼児連れのママに挨拶するがまた返しなし。
シーン3:挨拶を返さない乳幼児連れのママのモノローグ。どう接したらいいのかわからないわ。

遅れてスタートしたこともあり、発表して感想を聞くまではできたものの、それぞれの問題にどう向き合ったらいいか、どう解決したらいいかを話し合うところまではいけず、3つめの挨拶しないお母さんにどう接したらいいか、自分の子どもに「なんであのお母さん挨拶しないの?」と聞かれた時になんて答えたらいいのか考えてしまうという感想があったので、それだけみんなで考えてみました。挨拶をしないのはなぜ?俳優の仕事のごとく、みんなでその人の気持ちになって考えてみました。知らない人に余計なことを言われたくない、子どもを不審者から守らなければと思っている、どう接したらいいかわからなくて困っている、などの理由が考えられました。挨拶を返されなくてもいいと思って挨拶を続ける、などのアイデアも出ました。
img_20191028_121109


第1週はこんな感じの4日間でした。第2週の今週は金曜の気高町の子ども食堂くるりからスタート、初の夜開催です。去年ご参加くださった子ども食堂を運営されているOさんが「気づきが多かったからぜひうちでも」とお誘いくださり、感謝です。普段は50人くらいの親子が利用しているとのこと。いったい何人でどんなwsができるんでしょう?若干不安はありますが💦やれることを探ってみたいと思います。
土日月の三連休はしかのやど「やまね」で10:00-12:00(希望者でランチ)です。お気軽に遊びに来てくださいね〜。

なお今回は、同時期開催中の札幌「産み育てを考えるws」と、それぞれのワークショップの様子を紹介するビデオレター交換もします。先週それぞれ撮影した作品を送り合い、今週のどこかで鑑賞、感想を送ります。

鳥の演劇祭、併催のBeSeTo演劇祭、面白い作品がそろってます。ボランティアスタッフも大募集中です!ぜひぜひ鳥取へ〜


産み育てを考えるワークショップ in 鳥の演劇祭(募集)

今年もやります!^^
「産み育てを考えるワークショップ」in 鳥の演劇祭(鳥取)
第2弾!

去年に引き続き、今年も鳥取県の鳥の劇場が主催する「鳥の演劇祭」のプログラムの中で「産み育てを考えるワークショップ」をやることになりました!感謝。
去年の鳥取は人数こそ少なかったものの、とってもディープな内容も。

二年目の今年は子ども食堂とのコラボも実現🌟。
去年ご参加くださった子ども食堂を運営するOさんが、「参加してみて気づきが多かった」ということで、子ども食堂でもぜひとお招きくださいました。ありがとうございます。

そして同時期開催の、札幌、櫻井幸絵さんが開催する産み育てを考えるワークショップとのビデオレター交換企画もやります!
ぜんぜんちがう文化や背景をもつ鳥取と札幌の産み育て、果たして今年はどんな内容になるでしょうか。

広がりがでてきてとても楽しみです。
なお、今年の鳥の演劇祭は「BeSeTo(北京ソウル東京)演劇祭」と併催になります。
お近くの方、演劇祭に来られる方、お気軽にご参加くださいませ。
詳細情報は以下。
https://www.birdtheatre.org/beseto26bird12/program/26.html


「子育て」をキーワードに、現在子育て真っ只中のお母さん、お父さんだけでなく、結婚前の10代後半から20代の若い世代や、子育てを終えた世代、祖父母世代、テーマに関心のある方ならどなたでも、気持ちをシェアして、結婚、産み、育てのあれこれについてみんなで考える場を作ります。

進行:阿部初美

演出家。東京国際芸術祭でドキュメンタリー的な作品『アトミック・サバイバー』『エコノミック・ファンタスマゴリア』などを発表。東京藝術大学、(財)地域創造リージョナルシアター事業、各地の公共劇場などでも講師を務める。2010年に出産後、全国で「産み育てを考えるワークショップ」を行っている。

日時

日程

  • ①10月25日(金)・28日(月)&ランチタイム
  • ②10月26日(土)・27日(日)
    11月2日(土)・3日(日)・4日(月・休)
  • ③11月1日(金)(ディナー付き)

時間

  • ①10:00~12:00&ランチタイム(12:00~13:00)
  • ②10:00~12:00&ランチタイム(12:00~13:00)
  • ③18:00~21:00

※ランチタイムの参加は希望者のみです

会場
  • ①子育て支援センター「カンガルー」
    (鳥取市鹿野町鹿野583-3(幼児センターこじか園内))
  • ②しかの宿 山根町
  • ③けたかくるりこども食堂
    (鳥取市気高町北浜3-158<スマイルセンター浜村内>)
料金
  • ① 無料
  • ②・③ 200円











































産み育てWS in 札幌(リポート)

先月の鳥の演劇祭に続き、今月は札幌で「産み育てを考えるワークショップ」がスタートしました。
ファシリテーターは札幌で活動する劇作家・演出家の櫻井幸絵さんで、このワークショップをわたし以外の人もやってくれるようになって、嬉しいかぎりです。
札幌は第一回目だけ、わたしが進行役をさせていただきましたが、今回は、北九州芸術劇場でこのワークショップを行なった時に担当してくださり、一緒に現場をまわしてくださった野林眞佐美さんにもご同行いただきました。

札幌でこの「産み育てを考えるワークショップ」を引き継いでもらえたことから、櫻井さんとこの活動をもう少し広げていこうかと話がふくらみ、東京で子どもを産んで育てている何人かの俳優のみなさんに、このワークショップのファシリテーターをやってみたいかどうかたずねたところ、全員から「興味がある、やってみたい!」というお返事が返ってきたり、「具体的にはどんなことをしてるんですか?」と聞かれることも増えてきたので、札幌の第一回目の内容を具体的にまたここで紹介したいと思います。
また「もっと知りたい!」という方には、今まで全国5都市分の報告書や他にも資料が多数ありますので、FBかなにかでご連絡いただければ送付いたします。

●「産み育てを考えるワークショップ」とは?

簡単に言うと、「産み育て」つまり子どもを産んで育てることをみんなで考えるワークショップで、現代の核家族化によって、孤立しがちだったり、母親となった女性が働くことの難しさだったり、経済的な困難や、周囲とのトラブルやらなにやら、「子育て/産み育て」にまつわる問題を、できるだけ当事者だけでなく、関心のある人みんなで、つまりは個人の問題ではなく、社会の問題、地域の問題(問題ばかりじゃなくてもいいんですが)として考えていこうという趣旨で始まったものです。
それもただ集まって話し合うのでなく(時には話しだけで終わる日もありますが(^_^;)、演劇の手法をとりいれたプログラムの中で、みんなでグループに分かれて考えたことを表現して、お互いの作品を鑑賞してまたみんなで考えを深めていく、という内容になっています。
「演劇の手法」というのは、演劇には俳優がトレーニングに使う「シアターゲーム」とよばれるゲームがあり、それを誰にでもできる形にしたプログラムや、また誰でも子どもの頃にやったような人形を使ったごっこ遊びのような形で小さな劇を作ってみたり、時にはみんなで本を持ち寄って紹介したり読んでみたり、自分の子どもの頃の記憶をたどってみたり、子どもの体の動きや表情を真似して、子どもたちが感じていることを追体験してみたり、具体的にはこんなことです。

さてさてでは具体的に札幌1回目の様子をご紹介していきたいと思います。

「産み育て」を考えるワークショップ in 札幌 (第1回)

日時:2018年10月16日(火)10:00-12:00   12:00-13:00ランチタイム(任意)
場所:北海道演劇財団(札幌市中央区)

初日にお集まりいただいたメンバーは、乳幼児のママたち4名(子連れ参加)、子育てサポート活動をされている先輩ママたち数名、関係者で、合計10名。

●内容

まず最初に毎回恒例の全員の名前を覚えるゲームから始まり(不思議なことにこのゲームをするとものの5~10分程度で全員の名前をだいたいの人が覚えられます)、その後は、それぞれの参加者のみなさんの「産み育て」についての関心事やこのワークショップに参加した理由などを、一人1~3個、紙にペンで書いてもらい、書いたものを全員で眺め、お互いに質問したりして、でてきたトピックを仲間に分けて分類していきます。
IMG_0952
地域やその日のメンバーによってだいぶ出てくるトピックが変わります。ここ札幌のこの日のメンバーからでてきたのは大きく「地域と子育て」みたいなトピックがとても多く、このテーマで2つのグループに分かれて、それぞれ表現を考えることになりました。
そしてそれぞれのグループからは以下のような表現が出てきました。

グループA

寸劇
シーン1-1:乳幼児を連れたママが座っている。そこへいろんな人が通りかかるが、どう接していいかかわからず戸惑い、声をかけずに去っていく。
IMG_0956

シーン1-2:乳幼児を連れたママが座っている。「声かけないで」と書かれた紙を体に貼ると、通りかかる人は、「あ、声かけないでほしいのね」と通り過ぎる。その後、「おやつOK」や「かまってかまって」「おやつNG」と書かれた紙を順々に貼ると、通りがかりの人たちは、「あ、おやつあげていいんだ」とおやつを与えたり、積極的に声をかけたりするようになる。
IMG_0955


人形劇
シーン2-1:札幌市内のある公共施設。生後3ヶ月の赤ちゃんを連れたママが、トイレに入るために赤ちゃんをあずかってほしいと施設の職員に頼むと(公共トイレの赤ちゃん専用椅子は生後6ヶ月以上が使用可能)、職員は快く赤ちゃんを抱っこしてママをトイレに行かせる。
IMG_0959

シーン2-2:札幌市内の別の公共施設。同じママがまたトイレに行くために職員に赤ちゃんをあずけようとすると、今度は「そういうサービスはやってません」「責任がとれません」と言われ拒否される。ママは無理やりあずけてトイレにかけこみ、事なきを得る。


グループB

タブロ(静止画)
シーン1:縄文時代。みんなが焚き火を囲んで輪になっている。
シーン2:高度成長期~バブル時代。みんなテレビの方を見ている。
シーン3:現在。みんなそれぞれバラバラな向きでスマホを見ている。


グループA、Bの発表が終わったところで、お互いの作品を見た感想を話し合います。

●グループAの表現について

Aの方は、乳幼児を連れたママには声をかけた方がいいのか、そっとしておいた方がいいのか、子どもにかまっていいのか、食べ物をあげていいのかがよくわからずに困る。なので、その時々の状態をヘルプマークとかみたいに表明してくれると助かる、ということから生まれた表現でした。
これには賛否両論あり、上の世代からは「他者の様子を読み取る能力が退化する」という意見や、また若い世代からは「コミュニケーションが楽にできるようになる」という意見などがあがりました。
話し合ううちに、その時々の状態を表明してもらいたいと思う心の奥にあるのは、「傷つきたくない」という気持ちであることが明らかになってきました。
わたしたちはこれから、できるだけ傷つかないですむコミュニケーションの方法を選択して生きていくのでしょうか。上の世代は傷ついてもまた修復して立ち直っていくのが人生、若い世代は傷つかない方法を選んでいくことに楽観的、という言葉がでてきました。

●「演劇」の役割

さて、これをどちらが正しいのかを判定するのは演劇の役割ではありません。ただ、「演劇」という表現の自由が確保された時間と空間の中で、ちがう考えをもった者どうしが出会っていく。このこと自体が価値だと考えています。目的は違う考えをもつ相手と敵対することでもありません。人間とはどんな生き物なのか、どこへ向かっているのか、それを正直に一人一人が感じ、考えてみることなんですね。自分が知らなかった視点が他者から提供され、それを全員で共有し、一緒に考えてみる。
そしてここで話し合ったことを、それぞれがどう考え、どう生きていくのか、それはここに参加した全員が、これからそれぞれに答えを探していくこと、つまり自分の今の生き方やこれからについて、少し客観的に考える時間を持ち、そしてまた主体的に選択、行動していくことへつながっていきます。

●グループBの表現について

さてグループBでは、縄文から現代までの時間の中での人間のコミュニケーションのあり方が3つのタブロによって表現されました。このグループでは、学童クラブで働く男性から「子どもたちは学校でまったく生き生きしていないと思う。学校で過ごす時間を浪費してるような気がする」という意見がでました。これに対し、先輩ママからは学校は先生たちだけでなく、先生、親、子どもたちはともに育ち合う場所、的な発言があったり、学校の先生の仕事をしている一人の乳幼児のママは「浪費と感じるのはどういうところですか?」という質問があったり。結局、先生も親も、みんな考えていること、目的は一緒なので、先生たちだけの責任にしたり敵対したりせずに一緒になにが子どもたちのためになるのかを考えて連携してみんなで子育てをしていけたらいい、ということに話が落ち着き、コミュニケーション不足が問題ということになりました。「昔、焚き火を囲んでた頃はねえ…」と問題提起をした男性がぽろっと発言したところから、コミュニケーションのあり方の変化をテーマに表現を作ることに決定。

●続・演劇の役割

人数が多く、発言も多いメンバーが集まったこともあって、この日のワークショップは2時間をこえてしまったけれど、どのグループも話が白熱した。ここで演劇ならではのことは、やはり対立する意見をもった人が集まっても、それを表現として昇華させていくため、ただのぶつかり合いにならず、お互いの意見を聴き合いながら、演劇=Play=遊びとして表現していくため、深刻な対立はそこでは生まれようがなく、異質な他者どうしがお互いのちがいやなぜ違うのかを客観的に知り合い、ともに考える場所として機能する。それが「演劇」が「劇場」で果たしてきた役割なんですね。ただ、このワークショップという名前の演劇空間では、みんなが俳優と観客の両方の役割を体験します。
でプレイヤー、表現者というものには率直さが必要なので、日常ではやっていたりする自分を飾るということも表現の場では必要がなくなり、率直になれた者どうしは、そこであるつながりみたいな感覚が生まれてきて、考え方がちがって日常では友だちになれないような人ともなんとなくお互いを認めあってつながりが持てるようになってしまうのです。
こういうことは自分でもたくさん体験してきたし、現場ではちょくちょく目にすることですが、そのたびに「演劇」ってスゴイなあ〜と、もう30年近く演劇を続けているにもかかわらず、今も新鮮にそんなことを感じ、ぜひたくさんの人に体験してもらいたい!と願わずにはいられないのです。

さて、札幌の「産み育てを考えるワークショップ」は11月まで全6回。
ぜひぜひお気軽にご参加ください🌟
詳細は↓
画像に含まれている可能性があるもの:1人

産み育てWS in 鳥の演劇祭

今年の夏はホントに厳しい夏でした。まだ少し続きそうでまいりますね。。
ここのところいろいろあってあわただしく過ごしてますが、いよいよ来月、ひさびさに「産み育てを考えるワークショップ」やります!

今回は鳥取にお邪魔します。
鳥取市で活動されている「鳥の劇場」主催の「鳥の演劇祭」の枠内での企画になります。
お近くにお住まいの方、お気軽にご参加ください。またお近くにお友だちがお住まいの方、ぜひお声がけください。
さて、これまで東京世田谷、豊島、北九州、水戸、仙台と続き、それぞれ地域独特の「産み育て」にまつわる様々な要素が浮かんできましたが、鳥取ではまたどんな子育てのトピックが出てくるでしょう!?
とても楽しみです。

また「鳥の演劇祭」自体も今年は「子ども×演劇ラボ」の企画があって、子ども向けの劇もいくつかあるようです。こちらも楽しみに。

鳥の演劇祭2018
http://www.birdtheatre.org/engekisai/index.html

産み育てWS in 鳥の演劇祭

「産み育てWS」詳細・お申し込みはこちらから↓
http://www.birdtheatre.org/engekisai/program/15/index.html

photo :office Photo Style(古川智伯)

「子育て」をキーワードに、お母さん、お父さんだけでなく、結婚前の10代後半から20代の若い世代や、子育てを終えた世代、テーマに関心のある方ならどなたでも、気持ちをシェアして、結婚、産み、育てのあれこれについてみんなで考える場を作ります。


日程

① 9月7日(金)・8日(土)・9日(日)

② 9月14日(金)・15日(土)・16日(日)・17日(月・祝)

時間

10:00~12:00 &ランチタイム(12:00~13:00)出入り自由

※ランチタイムの参加は希望者のみです。

※途中からでも、1回のみの参加も可能です。


定員

15名程度

※年齢性別不問。お子様連れOK!

※先着順に受付。定員に達し次第、締め切ります。

お申し込み方法

参加希望日/氏名(ふりがな)/住所/電話番号/年齢/お子様の名前・年齢(お子様が同伴の場合のみ)/参加動機、結婚、産み、育てについて考えていることなどを書いて、鳥の劇場までお申し込みください。

会場

くるびや劇場

参加費

200円/1回

申込締切日

① 9月1日(土)

② 9月8日(土)

※定員に達しない回については、当日参加も可。

プロフィール

drecom_abehatsumi

QRコード
QRコード
  • ライブドアブログ